「重ね煮」とは、野菜を切って鍋に重ね、ほんの少しの塩を加えて、野菜本来のおいしさをぐっと引き出す調理法です。
素材に含まれる水分を活かすので、加える水も少しだけ。とてもシンプルな調理法ですが、素材の持ち味が発揮され、びっくりするほどおいしくなります。

じゃがいも・玉ねぎ・にんじんの重ね煮があれば、肉じゃが・シチュー、豚汁など色々な料理に活用できます。

皮や芯までおいしく食べられるので栄養価も上がり、生ゴミを減らすことにもつながります。

組合員でキッチンにしまち主宰の山崎さんは、酒類メーカーで営業・企画に携わる中、仕事が忙しくて食事がおろそかになると、心身共に力が落ちることを何度も体感。

「それなら、日常の食事づくりを仕事にしよう」と、16年半の会社員生活から全く経験のない給食調理員に転身されました。

その後、「食は治療の一環」と考える九州のクリニックで「重ね煮」を知り、2009年より重ね煮教室をスタートし、 2016年、京都市中京区に「キッチンにしまち」をオープン。
毎日の食事づくりをサポートする「まちの共同台所」を目指して活動されています。

自身の体験から、時間がない、料理が苦手、経験がない人にこそ重ね煮で気楽においしく野菜を味わってほしいと、身近な食材で手軽に作れるレシピを心がけているとのことです。