組合員活動報告

6/4 ツル米・ビオトープ米産地交流会?産直委員会

2022.6.4

6/4(土)、連合産直委員会では、ツル米・ビオトープ米の生産者さんとの交流のため、生産地の徳島を訪れました。
その様子をご報告します?

小松島市にあるコープ自然派の有機農業の学校「とくしま有機農業サポートセンター」に到着すると、
JA東とくしま生産者の農家さんが20名ほど集まっておられました。

現在、地域の農家の平均年齢は67.9歳。
人だけでなく農機具の高齢化も進んでおり、農機具の故障がきっかけで離農を決断する農家が多いそうです。

さらに、米離れやコロナによる外食激減から米価が低下する中で、
「お米を作っても儲からない…」、「作れば作るほど採算が取れない」という苦しい状況にありました。

そんな中、何とかお米の価格を上げようと、始められたのが「みみずふん土」と「ネオニコフリー」の取り組みです。

「ミミズふん土」はミミズに椎茸の菌床を食べさせると、そのフンで土がふかふかになり、稲が土中の有機物を吸収しやすくなるというもの。
徳島は日本一の椎茸の産地。その菌床を使用した「ミミズふん土」はまさに地域資源を生かした土づくりです。

「ネオニコフリー」は神経毒性のある殺虫剤「ネオニコ」系農薬に頼らない農法。
コープ自然派ではネオニコフリーの田んぼでのお米作りを全国で進めています。

この2つの手法に取り組んだことで、従来の手法よりも稲の太さが太くなり、丈夫になったそうです!

苦しい状況でも、地域資源を生かした独自の取り組みで、安全で美味しいお米を届けようという前向きな姿勢に
元気をもらえる交流会でした。

「最近はみんなお米をあまり食べなくなってきているけれど、みんながお米を食べる文化を生協で作ってほしい!」という農家の皆さんの期待に応えられるよう、
コープ自然派で扱っているお米の魅力や美味しいお米の食べ方を組合員に伝えていきたいと思います!!

阿波農産・濱田さんのツル米田んぼ
理事に稲をプレゼントする生産者さん

そして、このような環境への負荷を減らしたお米作りを行う中で、国の天然記念物であり絶滅危惧種でもある「ナベツル」が少しずつ飛来するように!2015年にはなんと390羽ものナベツルが飛来しました!

さらに、ナベツルにつられてやって来た生き物が・・・

午後からは、鳴門市板東地区へ。
この地域では、2017年から毎年、コウノトリの夫婦「ゆうひ」と「あさひ」が雛を産み、育てています。
レンコン畑の真ん中にある巣塔を望遠鏡でのぞくと・・・

いました!!
4月に孵化したばかりの雛が3羽。
NPO法人とくしまコウノトリ基金の柴折さんによると、親鳥は1時間に1回、夜通しで餌を運んでいるそうです。

育ちざかりの子どもを抱えた親は大変ですね!

コウノトリは田んぼや河川の生き物を餌として人里の近くで生息してきましたが、田んぼの乾田化や農薬使用による餌の減少などで1971年に絶滅してしまいました。
その後、人工飼育された雛が放鳥され、全国で200羽以上のコウノトリが確認されています。

ここ板東は本州以外では唯一の繁殖地。
コウノトリがこの地を営巣地として選んだ理由の一つは、えさが豊富な田畑があること。
周辺にあるレンコン畑もツル米同様「ネオニコフリー」に取り組んでおり、餌となる様々な生き物がたくさん暮らしています。

ネオニコ系農薬を除くとレンコンに使用できる農薬は一種類しかないそう。それでも青々とした元気な葉が茂っていました。

2020年からは、田んぼに水が無くなり、餌となる生物が減ってしまう冬でもコウノトリやナベヅルの餌場や休息場となる「ビオトープ」で「ビオトープ米」の栽培も始まりました。

ビオトープ米はネオニコ系農薬を使わずに栽培することを目指して、農薬削減に励んでいます。

このビオトープ米を使って、コウノトリの夫婦をモチーフにした日本酒が地元の酒蔵「松浦酒造」さんで作られています。

また、「ツル米」を使った商品も様々なメーカーにより開発されています。
https://www.shizenha.net/weekfeature/18111/
ぬか床、塩こうじ、料理酒、甘酒など、意外とお米って色んな食品に使われているんですね!!

日本で唯一、100%自給できる農産物であるお米。
お米の価格が下がっている今、お米を食べてお米農家さんを支えることは、これからの日本の農業を守ることにつながります。

お米はたんぱく質豊富で、ビタミン、食物繊維など色んな栄養がバランスよく含まれている穀物です!
暑い夏こそ、ごはんをおかずにごはんを食べるぐらいの勢いでお米を食べて夏を乗り切りましょう!!!